2017年01月31日

DATS 1st シングル発売決定

初夏リリース予定のデビュー・アルバムよりリード・トラックとなる新曲「Mobile」のリリースが決定。マスタリング・エンジニアに砂原良徳を迎え、カップリングには杉本亘と大井一彌がメンバーに名を連ねるyahyelのリミックスを収録。また、その予告動画も本日より公開。

□ 品番:RYECD270
□ 価格:¥500+税
□ タワーレコード限定発売 / 数量限定生産
□ 発売日:2017年3月8日



[コメント]

□ LEO今井

90年代前半のユーロダンスヒットからあざとさを臨床的に削ぎ落としたような曲。
即ち、かっこいい!歌声もいい!

[レヴュー]

□ 柴 那典

 真っ当に、堂々と格好いい。スタイリッシュで色気がある。4人が並んだ時の佇まいも、いい。先鋭性と大衆性を兼ね備えた存在になっていきそうな予感がする。ポップだと思う。「ポップ」という言葉に「すでにみんなが見知っているもの」というイメージを持つ人は多いかもしれないが、それは、いわばすでにひっくり返った後のオセロの盤面しか見ていないからそう思うだけだ。ある時点では一部の人だけしか気付いていない快楽性が、何かのきっかけで、ウィルスのように伝播していく。それがポップの本質だし、DATSはそのキーを握っているような気がする。
 レーベルを移籍しての一曲目となる「MOBILE」はバンド主体のこれまでのサウンドメイキングを一新し、よりクラブ・ミュージック的なテイストを強めた一曲。ビートとシンセの占める割合がより強くなり、ボーカルチョップの手法も取り入れられている。昨年にメンバーの杉本亘(Vo, G)と大井一彌(Dr)が参加するyahyelが大きく注目を浴びたことも刺激になったはずだ。というか、そのことによって彼ら自身も今まさに何らかの自信と確信を得ている最中なのではないだろうか。yahyelの冷たく無機質な音像、諦念と静かな怒りを孕んだ歌は、確かに刺さった。反響を巻き起こした。そのことがDATSの方向性にも影響を与えているはずだ。
 ただ、DATSがバンドとして持っている気質は怒りや皮肉ではないと思う。むしろ、それは言うならば「ユナイト」に近いものではないだろうか。メロディや歌いまわしにはかつてのオアシスやカサビアン、日本で言うなら[Alexandros]あたりの系譜にも通じるロックの雄大さがある。「MOBILE」という曲で歌っていることもスマートフォン中毒の風刺なんだけれど、ただ皮肉で終わらせるだけでなく、歌詞には「You(=あなた)」への呼びかけが何度も繰り返される。
 目の前の「あなた」を巻き込んでいくタイプのバンドとして、DATSは大きくなっていきそうな予感がする。

□ 三宅正一(Q2)

 DATSというバンドはあらゆるボーダーを感覚的に消失させ、人々を往来させようとしているのだと思う。邦楽と洋楽、オーバーグラウンドとアンダーグラウンド、ロックとクラブミュージック、あるいはライブハウスとクラブのフロア。言うまでもなく、バンドミュージックサイドからそういった指針を活動のアイデンティティに掲げてきた先人は確かにいる。近年ではサカナクションがその筆頭に上がるだろうし、彼らの意識的なチャレンジが実を結ぶことでアーティストも受け手も次世代が築いていくカルチャーの未来の様相はもっと刺激的で本質的な遊び心に富んだものになっていくだろう。一方で、DATSの場合はあらかじめ音楽のみならずさまざまなカルチャーに対して線を引くという概念がないのだろう。それはDATSと同世代のバンドに共通しているところだと思うし、杉本と大井がメンバーでもあるyahyelにいたってはボーダーを意識すること自体が日本人然としたコンプレックスを浮き彫りにしているし、ナンセンスであるという立場をとっている。そのうえでDATSの音楽とアティチュードはあきらかにボーダーを消失させようとする意志を感じさせるのが興味深い。そう、バンドが変われば使命も変わる。しかも互いにいい影響を与えながら、同時進行でそれぞれのクリエイティビティを更新しているポジティブな相互関係が窺えるのも現代的だなと思う。ロックとクラブミュージックの融合というテーマを使い古されたものにしないために細部にわたってコンテンポラリーな意匠が施されているこの「Mobile」という1曲を聴いただけで、ニューアルバムが本当に楽しみになった。
[ssbp]